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サブカルチャー

Size?がイタリアのサブカルチャー「パニナロ」に注目



March 2024
Words by James Anderson
Header shot by Ashley Evans

Size?は、イタリアのかつてのサブカルチャー「パニナロ」の視点から、フレッドペリーシャツのスタイルを提案しています。

イタリアのサブカルチャーだった「パニナロ」は、80年代初頭にミラノのサッカーチームのサポーターたちから生まれたスタイルでした。リベルティ広場のパニーニ店Al Paninoに集っていたACミランのファンたちは、ヨーロッパの最新デザイナーブランドとアメリカの定番ファッションをミックスしたスタイルが特徴的で、「パニナリ」と総称されるようになりました。名付け親はあるジャーナリストで、直訳すると「サンドイッチ好き」という意味です。

そのスタイルが進化し、シーンを支持する若者が増えると、サッカーの要素は薄くなり、非の打ちどころのないスタイルや成功者のイメージを映し出す、お金をかけたファッションというコンセプトが前面に押し出されるようになります。集まる場所もハンバーガー店Burghyの前のサンバビラ広場へと移り、人気が爆発しました。

80年代半ばから後期にかけて多くの雑誌や漫画本に取り上げられるようになり、ミラノの若者たちの写真がイタリア全土に広まると、パニナリのスポットが各地に誕生しました。しかし、80年代末期にはシーンが下火になります。全国放送のテレビ番組でパニナロをネタにしたギャグキャラがたびたび登場し、浅はかなスタイルとして取り上げられ、人気の代償を払うこととなりました。

この短命のサブカルチャーを称え、40年近く前にパニナロが集まっていたまさにその場所にショップを構えた Size?では、フレッドペリーの新作アイテムに、ロンドンのTOO HOTとフレッドペリーのアーカイブからピックアップした80年代のパニナロのオリジナルアイテムを組み合わせたスタイルを提案しています。