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サブカルチャー

カムデンの若者たちをたたえて

Photos by Georgina McKenzie

若者たちから生まれたファッション、音楽、シーン、社会的ムーブメントに敬意を表してお届けします。

このたび、イギリスの若者たちのカルチャーと、ミュージアム・オブ・ユースカルチャーが1年間にわたりフレッドペリーの店舗を巡回した取り組みをたたえ、フレッドペリーのカムデン店で新たな展示を開催します。

同店では先週、常連のお客様や仲間たちを招待し、展示を初公開しました。さらに、ミュージアム・オブ・ユースカルチャーのリサ・デル・ヴェドヴァとジェイミー・ブレットにラヴァ・ラ・ルーを交え、表現の自由と記録の重要性についてパネルトークを行いました。

1年間にわたるこの展示は、10月のオープンが迫るミュージアム・オブ・ユースカルチャーの常設展の雰囲気を味わえる場でもあります。

昨年には、ミュージアム・オブ・ユースカルチャーのアーキビストがイギリス各地のフレッドペリーの店舗を巡回し、若者たちやサブカルチャーの歴史にまつわるストーリーやアイテムを収集しました。

賛同した方々からは、写真、チケットの半券、フライヤーなど、大切な思い出の品々が寄せられました。ノッティンガムのLJのY2Kレイブでのポラロイド写真や、リーズのヘレンのゴスにささげた青春など、イギリス各地におけるかつての若者たちの姿を映し出すものばかりです。

そうした収集の取り組みは、「SHARE YOUR STORY OF YOUTH AND BECOME PART OF HISTORY」 と呼びかけるフライヤーから始まりました。これに対し、リーズ店 は「How we gonna kick it?」とリアクションをしました。フライヤーの重要なポイントは、限られたスペースで注目を集めてメッセージを伝えることです。数十年間にわたるコレクションの中から、クラブの開店のお知らせや、つい最近開催されたイベントの告知など、お気に入りのフライヤーの数々が寄せられました。1960年代に開店し、すでに閉店して久しい、カーディフのSmileysのフライヤーには、「It’s new, it’s exciting, ...」というフレーズが添えられていました。

「今回の巡回を通じて、これまでつながることができなかった、まったく新しい層の方々と親しくなれたように思います。アーカイブをイギリス全土に広められたのは、とても特別なことであり、私たちが残そうとしているものにとって欠かせないことです。」 ミュージアム・オブ・ユースカルチャー アーキビスト イェリズ・ザイフォグル

他にも、草の根の音楽シーンの広がりを物語るフライヤーなど、年月を経てなお残されている紙媒体のアイテムも寄せられました。中には、「ドラムとベース募集中:感性とセンスがあって、ぶちかませるヤツ」と書かれている紙切れもありました。グラスゴーのミシェルからは、寒い電話ボックスで何時間も友人と話したという思い出話と共に、BTのテレホンカードが寄せられました。ホールやスパイス・ガールズのコンサートについて、ガールパワーをたたえるストーリーも見られました。

この巡回を経て、アルバムや靴箱に収められていた多くの写真が集まりました。夜遊びで酔っぱらった写真、好きな歌に合わせて叫んでいる写真、友人たちとのホームパーティの写真、だらだらと過ごした時間の写真、証明写真のプリント。そして、「1985年の8月24日に出会った彼がジャージー島に住んでいたから送った写真」という恋の思い出のものまで。

巡回中にスキャンされたアイテムの数は、1940年代から現代のものまで、実に千点を超えました。これはまさに私たちが共有するカルチャーをたたえる取り組みと言えます。世代を超えてつながるストーリーもあります。ジョセフィーナの1990年代の写真の中で、誇り高く「BRAT(悪ガキ)」と書かれたTシャツを着る十代の少女の姿は、現代の音楽カルチャーに通じるものがあります。

これまで、ノッティンガム、ブリストル、カーディフ、グラスゴー、マンチェスター、リーズ、ブライトン、リバプール、ロンドンと、イギリス全土を巡回してきました。そうした各都市で熱い思いやストーリーが新たに加わり、イギリスのコミュニティを形成してきた若者たちのカルチャーが浮き彫りになっていきました。ミュージアムの所蔵品の多くは、一般の方々から直接寄せられたものです。たった1枚の写真にも、個人のアーカイブにも、イギリスで過ごす若者時代を物語る重要なストーリーがそれぞれに秘められています。

フレッドペリーのカムデン店(255 Camden High St, London NW1 7BU)にぜひお立ち寄りください。

フレッドペリーは10年以上にわたりミュージアム・オブ・ユースカルチャーを支援しています。ミュージアムの重要な活動について詳しく知りたい方や、新しい施設の創設メンバーになりたい方は、公式サイトをご覧ください。