イタリア人にとってなくてはならないもの、それがアペリティーボです。
古代ローマの時代から続く伝統であるアペリティーボは、地域によって微妙な違いがありますが、北部から南部まで、ミラノでもパレルモでも、イタリアの至る所で誰もが楽しんでいる文化です。
アペリティーボとは、言うなれば、食前に飲むお酒やノンアルコールドリンクのこと。ラテン語の「aperitivus」が語源で、美食や美酒に贅を尽くしたローマ時代の宴に思いをはせ、乾杯して楽しもう、というわけです。
食前酒の王様といえば、スプリッツ。疲れと喉の渇きを癒やしてくれる、さっぱりとしたカクテルです。プロセッコ(イタリア産スパークリングワイン)とビターズ(苦味のあるリキ
ュール)に炭酸水を加えて、氷を入れたグラスに注ぎ、オレンジやレモンのスライスを飾って供されます。


ただし、もしもバーの前で「アペリティーボでもどう?」と言われたら、一杯だけ誘われているわけではないことを知っておいてください。
アペリティーボは、イタリア語でいう「dolce far niente(何もしない幸せ)」を楽しみ、とことんリラックスするひとときです。イタリアのおいしい食事を味わい、そして何より、友人や恋人、さらには知らない人とも、共に過ごす場を満喫しましょう。それこそがリアルなイタリアの楽しみ方です。
イタリアのアペリティーボは、単なるお酒とおつまみの時間ではありません。地元の文化、交流、料理を楽しむセレブレーションです。街ごとに独自のスタイルがありますが、良き仲間たちとおいしい食事を愛する気持ちは共通しています。Alla salute!(乾杯!)

ステファノ・シジリノ(アーティスト)
出身地を教えてください。
生まれたのはマテーラです。ミラノとアテネに何年も住んでから、大好きな「citta dei sassi(石の町)」に戻ってきました。
ナイトアウトに出かける前のルーティーンがあれば教えてください。
ナイトアウト前は必ずシャワーを浴びて、その間に大声で2曲歌います。近所の人を起こしちゃいますけど。歌うのは、スーサイドの「Dream Baby Dream」と、アバの「SOS」です。それから着ていく服を選んだら、夜遊びに出かける準備は完了です。
マテーラで定番のナイトアウトを最初から最後まで紹介してくれますか?
よく晴れた暑い夏の間なら、ムルジャ・マテラナ公園の展望台から夕焼けを見てから、AlFalco GrillaioかMarioに食事に行きます。どちらも子どもの頃から行っていた場所です。
マテーラでお気に入りのインディペンデントなライブ会場はどこですか?
一番よく行くのは、Area 8というバーです。カッコいいDJセットがあって、ライブを聴ける、数少ないスポットの一つです。自分でも何度もプレイしたことがあるので、ホームっていう感じがします。

ルアナ・ペトルーロ(写真家)
出身地を教えてください。
生まれも育ちもポテンツァです。でも、ラツィオにも6年間住んでました。
ナイトアウトに出かける前のルーティーンがあれば教えてください。
ロザリアをかけてフラメンコを聴きながら、クローゼットを30分眺めて、たくさん服があるのに結局いつものローライズジーンズを選びます。それから、きれいな夕焼けをバックにナイトアウト前の写真を何枚か撮って、やっと家を出ます。
マテーラで定番のナイトアウトを最初から最後まで紹介してくれますか?
始めてまだ数カ月ですけど、友人たちと街に出て、石の壁を眺めながらアペリティーボを楽しむのが夜の定番です。仲間たちとスプリッツを飲んだりオリーブをつまんだりしてディナーまでの時間を過ごして、別のお店に移動してから昔ながらのメニューで食事をします。最後に展望台に行きます。
オールナイト後に聴くのに最高の曲は何ですか?
フラメンコと、スペインのいろんなジャンルの音楽をたくさん聴きます。
最近は、エスラボン・アルマドとペソ・プルマの「Ella Baila Sola」を夜の終わりに聴いてます。

ドリッス・イシアカ・ヴァレリオ
(コンテンツクリエイター)
出身地を教えてください。
生バーリ県のジョイア・デル・コッレの出身ですけど、生まれはアックアヴィーヴァ・デッレ・フォンティです。
ナイトアウトに出かける前のルーティーンがあれば教えてください。
ナイトアウトに行く前は、ほとんどの時間を、何を着ていくか考えて過ごしてます。どんな夜になるかを予想しながら。もちろん天気も考慮して。なので、デートにはいつも遅刻してます。
タクシーにAUX端子があったらかける曲を教えてください。
最近だったら、AIELLOの「ASPETTIAMO MATTINA」か「LIBERO」ですかね。
オールナイト後に聴くのに最高の曲は何ですか?
フラメンコと、スペインのいろんなジャンルの音楽をたくさん聴きます。最近は、エスラボン・アルマドとペソ・プルマの「Ella Baila Sola」を夜の終わりに聴いてます。

