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サブカルチャー

サザンソウルからアシッドハウスへ

2022年7月
Words by Shola Aleje

1988年にイギリスのアシッドハウスシーンを熱狂させた、サザンソウルシーン後期の曲を紹介します。

このプレイリストは、サザンソウルシーン後期に焦点を当てています。80年代後半にレアグルーヴのクラブや初期のウェアハウスパーティでプレイされ、後のアシッドハウスシーンにつながった音楽です。ダニー・ランプリング、カール・コックス、テリー・ファーレイ(FaithおよびJunior Boy’s Own)、ノーマン・ジェイなど、クラブや海賊ラジオ放送のDJたちによって、新しい時代のクラブカルチャーにソウルボーイスピリットがもたらされました。プレイリストのトップを飾るのは、バリー・ホワイトの名曲「It's Ecstasy When You Lay Down Next To Me」。ダニー・ランプリングがクラブナイトのオープニングでよくかけていた曲です。

また、このシーンの発展において重要な役割を果たした、フランキー・ナックルズ、ラリー・レヴァン、ジェシー・サンダース、デヴィッド・モラレスなどのベテラン勢がパイオニアとなった、ニューヨークとシカゴ(アシッドハウスのルーツ)のシーンに関連する曲に加え、Acid TraxやSleeping Bag Recordsといったアイコニックなレーベルからリリースされた曲もプレイリストに含まれています。

さらに、当時ジャンルを超えて最大の反響と商業的な成功を得た名盤の一つとして、ソウルIIソウルによる1989年のアルバム『Club Classics Vol. One』にも敬意を表し、その中の曲をピックアップ。アシッドハウス全盛期にリリースされ、ダンスビートに乗せた生粋のレアグルーヴサウンドが詰まったアルバムです。

プレイリストには、70年代後半にリリースされた曲ながら、ノーマン・ジェイによるパーティ「Shake 'n' Fingerpop」でリバイバルしたものも。Shake 'n' Fingerpopでは、復古主義的なアメリカのファンクとソウルを中心として、リン・コリンズ、ヴォイシズ・オブ・イースト・ハーレム、リロイ・ハトソンなどが取り上げられていました。

そして、このプレイリストの選曲における考え方は、ダニー・ランプリングの次の言葉で実に的確に要約されています。「最初のShoomでアシッドハウスをかけた時、オーディエンスの半分は、他のDJたちがその夜プレイしていたレアグルーヴ、ファンク、ヒップポップが好きだった。誰もがすぐにアシッドハウスを受け入れたわけではなくて、最初のパーティでは大成功とは言えなかった。でもそれから数カ月のうちに、たくさんの人がShoomに来て、あの新しい音楽を聴きたいと思うようになったんだ。」(Ministry of Soundオンライン)