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サブカルチャー

スポットライト:メッシュ

2023年6月
Words by Ben Perdue
Photos courtesy of Museum of Youth Culture

テニスのネットからメッシュタンクトップまで、スポーツとサブカルチャーにおけるメッシュの歴史をたどります。

テニスコートのネットと結び付けるのは強引でも、通気性と反体制的な過去を切り口にメッシュを見直すのはありかもしれません。

孔がある素材のアイテム(極めて目の粗いニットや、トレーニングウェアに用いられるシンプルなジャージー編みとその通気性の良い裏地など)には、下着やスポーツウェアとの共通点が数多くあります。本来、インナーに着るものをアウターとして主張するスタイルの元祖は、ジャマイカのルードボーイたちです。彼らのメッシュタンクトップは、90年代のダンスホールのドレスコードになりました。ポロシャツ、カーディガン、タンクトップという他の定番アイテムを、ゆるい編み目や極細の糸を用いることで透け感をそろえてアップデートすれば、当時のアンダーグラウンドなエッジを現代のスタイルに取り入れることができます。

透けるレースや透かし編みは、デイブ・スウィンデルズをはじめとするクラブカルチャー写真家が撮影した80年代後期のイビザのシーンでもおなじみのスタイルです。レイバーが踊るのに適した機能性があり、下に着ているアイテムを見せるのにもぴったりでした。意外性のある差し色やプリントや柄を粋にチラ見せする方法として、今でも効果的です(また、70年代のマッチョでタイトなポリエステルメッシュと比べてはるかに上品な印象になっています)。

薄く透ける素材や透かし編みニットを今風に堂々と着こなして、重ね着を楽しんでみましょう。生地がフィルターの役目を果たし、斬新な効果が生まれます。