Twitter Line Facebook Share
サブカルチャー

ボーグフリースにスポットライトを当てる

2022年11月
Photo courtesy
of the Museum
of Youth Culture Words by Ben Perdue

アウトドア愛好家にも野外フェスのファンにも愛用されているボーグフリース。そのカウンターカルチャーにおけるレガシーを探ります。

文字どおり、「アウトサイダー」のために作られたフリース。寒さ対策として生まれたテクニカル素材で、主な機能は暖かさですが、その魅力的な質感によって、アウトドアからメインストリームまで幅広いファッションで使用されています。

クリエイティブシーンの人々は、活動を展開できる場としてアンダーグラウンドに居場所を見いだしただけでなく、郊外にも目を向け、都心の法的な制約や物理的な制約から離れ、倉庫や荒野に自由を求めました。生き物にとっての暖かさといった居心地の良さとは無縁の、知られざる場所です。そうした場所を見つけ、もちろんのこと夜を楽しむためには、断熱性とリラックスしたスタイルを兼ね備えた衣服が必須でした。そのため、保温性に優れていながらすっきりとしたシルエットのフリース製アウターウェアが支持されるようになったのです。

同様に、サブカルチャーも大都市に限られたものではありません。郊外に住む人々も、少数であっても若者のムーブメントに影響を与えます。ニューフォークシーンは、音楽だけでなくアートやファッションも含めて、よりスピリチュアルかつおおらかな人生観で地元と結び付いています。地方を称賛する彼らのファッションの主流となっているのは、フリースやゴアテックス、ヴィンテージのハンドニットといったアウトドアアイテムです。生け垣や有刺鉄線の柵を跳び越える時にダウンジャケットほどかさばらず破れにくいフリースは、使い勝手と肌触りが良いだけでなく、丈夫でありながら柔らかい素材です。

ストリートシーンでは、ウール混のフェイクシアリング生地は、アウトドアスポーツウェアの機能性に根差したスマートな新しい魅力だけでなく、ナイトライフの洗練されたレイヤードスタイルに仕上げる高級感も併せ持っています。新しいフレッドペリー世代のために取り入れられて応用され、進化を遂げた、まさにサブカルチャースタイルの素材です。