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サブカルチャー

All Our Tomorrows -
Working Men's Club

オール・アワ・トゥモローズ - ワーキング・メンズ・クラブ

Words by Al Mills

今日は、オール・アワ・トゥモローズの2日目。午後に向けてギアアップして、豪華に日曜のローストとパネルトークと新進気鋭のミュージックタレントに3時間に浸り、そのあとは今を精一杯生きるのと同じくらい未来を見なくちゃならない。

「皆、自分の子供に聞かせたいようなメッセージを拡散するようにしなきゃならない」と、KDvsGOLIATHは言っている。彼は、尊敬すべき非協調主義者で、『PINK』の怒りと、粘り強い柔らかさ、そして自信にあふれた明確な憤りで今日の口火を切ってくれた。

今年のAOTのテーマでもあるように、KDvsGOLIATH は、曲作りや演奏に明らかにインスピレーションを活かしたアプローチを保とうとしている。スピリチュアルなパワーハウスであり、独特のスリリングな力強さを持った彼の自己陶酔的なジャンルの流動性は、22歳の彼に「なんでもできる」という体中からあふれ出る貪欲さとなり、勇気の形をとって、隠さずに表現する(heart-on-sleeve)親密さの鼓動に変化を与えている。

KDvsGOLIATH

夢のようなゴールデンアワ―に太陽の軌道を追いかけていると、天気が12月の英国の空ぐらい灰色でも、ノンシャランでいることも無理じゃないような気がしてくる。スタイル的には、お気に入りのセーターの愛着のある擦り切れた穴の親指を押し込む行為のように、代わりの輝きを探しているのだとすれば、ロンドンのSalmon Catは、冬のブルースに挑戦するには不思議なほど胸に来るガイドになるはずだ。

Salmon Cat
Salmon Cat
Salmon Cat

NiNE8コレクティブのJess SmythとLloyd MacDonald(通称Mac Wetha)のヴォーカルをフィーチャーしたSalmon Catoは、「ローファイ・ベッドルーム・ドリーム・ポップ」を一切寄せ付けないことにしている。『Frakie』と『Bathtub』は、「アメリカーナ」の結晶のような音と雰囲気で聴衆を魅了し、一歩離れているような気がすると同時に、胸の内にしっかり抱きしめられている気もしてくる。

11月にニンジャ・チューンのインプリントBig Dataからリリースされた、デビューEP『Toner』からのアンセムを披露したダン・キャリーは、多くの多彩な才能をプロデュースした。自称Contry FiedのダンストリオPVAは、汗だくになったような高揚感と磨き抜かれたライブアクトの名手として知られている。

PVA
PVA

Divine Interventionでは、彼らの高層ビルのようであり、ソニック・フリーウェイと骸骨のような高揚感のある脱走を全力で目撃するつもりでいる、ブリクストの『The Windmill』の常連客にとって、今夜のセットは、「人々を一つにする」という意味で、コミュニティ・チャンピオンだろう。ランドマーク的な会場の触媒となったバンドの卒業生でもある彼らのバンドが、過去の徹夜の思い出と、午前2時のロックインへの期待を込めて、普通の生活に一筆書き加えるる勇気を与えてくれる。

衝撃的な激賞が喉から手が出るほど欲しいときは、ヘブンリーのワーキング・メンズ・クラブがいいだろう。スマートでカルト的、そして精力的にハイブリッドなWMCは、フロントマンのSyd Minsky Sargeantがインダストリアル・ダンス・ミュージックを吠えるように唱えながらサーキットを手中に入れようとしている間、風に吹かれたレーシングカーの塗装をはがすような、幻滅した社会的な輝きの不協和音の層をはがしていく。

Working Men’s Club

ここでは、降伏した青春と「潜在意識の絶望」の心のまなざしの中で、回復力が高まり、独特のジャガンナート・ジェンガを包み込むようなサウンドスケープを形成している。WMCと共に、お告げを下すショーマンシップの首謀者として徘徊したり、自己完結型のサーカスの穴の中で暴動を起こしたり、ステージは間違いなく彼らが最も自由に歩き回ることのできる場所であり、心臓が交互に脈を打ち、催眠術にかかった魂で包まれたクラッディングの上に気持ちを休めることのできる家なのである。

Working Men’s Club
Working Men’s Club

セルフタイトルのデビューアルバムの嵐に載って、『Cook a Coffee』のナンバーは気迫のこもったポーカーフェース。『John Cooper Clarke』やフィーチャーシングルの『Teeth』は、流星のような日常性と波型のブリキホイルのような鋭さを持った悪魔的な排泄行為としての瞑想であり、昨日と今日の物をまとめて一つにした週末の贅沢な一枚に仕上がっている。

100 Club

AOT2020は、ひとつにまとめてリリースするに値する2日間だった。今のような瞬間は一時的に止まるかもしれないけれど、ショーはまだずっと終わらない。恐らく、今回私たちが得た特別な高揚感は、これからの私たちの健全さと未来に向かい想像力のために前に進み続けようという音楽に携わる者の耐えることのないモチベーションではないだろうか。

ここで披露された限りない才能があれば、何事も大丈夫だ。頑張ろう。