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オール・アワ・トゥモローズ – ジョックストラップ

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Jockstrap

オール・アワ・トゥモローズ – ジョックストラップ

Words by Al Mills

2020年、最先端の音楽に週末を捧げるフェスティバルはオンラインで開催。最愛のクラブ「100 Club」にバーチャルで集うことになりました。Bebeluna、LCYNT、Louis Culture、ジョックストラップのパフォーマンスから、Al Millsがイギリスの健在な理由を語ります。

Bebelunaは、ありのままの道徳の問題を持ち込むことで自己成長がカオス化すると言い切ったアーティストで、そのデビューEP『Ecdysis』では、「古い皮膚を脱ぎ捨てるプロセス」を物理的に具体化。脆さの美や、静かな憤りを胸に生き抜くクィアやサイバーカルチャーを擁護することで、20代前半の「自分の生き方を全て変えなければならないという考え」に立ち向かっている。

Bebe Luna
Bebe Luna

僕らは皆、変化の必要性に縛られながら存在していることは言うまでもないけれど、それでも、映画『マッドマックス』のフュリオサ大隊長にインスピレーションを与えたノースロンドンの「EMO」であるBebelunaは、不安や挑発的な混乱のためではなく、長期的な個人の心の平安に向かうための社会的反抗を表現している。

非常に優れたナンバー「Reclaim」は、Bebelunaが最近一緒に活動し、成功しているコラボレーターであり首謀者でもあるTaliableのイントロが最高潮に向かう力に対抗しているんだ。

Bebe Luna

「あふれる情報は想像力に火をつけるの」とBebelunaは述べている。音楽が人々を1つにする普遍的な言語になるとき、それは限りない多様性が原動力となり、イギリスの真の創造性の集産主義を掲げる強制力となる。

LCYTN

ロンドン育ちのLucy Tun(通称LCYTN)は、伝統的な音楽教育を受けたイギリスとビルマの血を引くソングライター。彼女は、インドアで過ごした青春時代を、生まれながらに文化と情報にさらされたZ世代という要素に結び付けている。

ここでは、心地よいベッドルームポップ、ドラッグ、ビデオゲームなどを全てブレンドした、LCYTN特有の、バスルームの鏡についた湯気の中に心がを引き込まれるようにゆっくりと溶けてゆくユーフォニックなロー・ファイのハイブリッドなスタイルを作り出している。「100Club」のフロアで踊るLCYTNほど、幸せそうに自分のダンスを踊る人はいないでだろう。

LCYTN

今年は、このような孤独な世代が登場した最初の年であり、だからこそ、オール・アワ・トゥモローズ(AOT)が「ブリティッシュ・エレクトロの新たな物語」を強調し、この転機となる10年の主役であることを高々と宣言する嵐を自ら巻き起こした。

LCYTN
LCYTN

偏見は既に古臭いものになり、力は一目置かれ、サウスロンドンのLouis Cultureのように、再生する親密性と疲れを知らない再減少が結び付けられることはほとんどない。誹謗中傷を避け(『Being Me』)、音楽で相手を叩きのめすタイプのElevation Meditation(Load Apexプロジェクト)のメンバー、Cultureは、どのジャンルにも当てはまらないテーマと「黒人の手にエレクトロニック音楽を取り戻す」ために出したEP『Smile Soundsystem』からも分かるように、ロンドンのオルタナティブ・ヒップホップシーンにおいて欠かせない声だ。

Louis Culture

天性の無法者としてステージを支配したLouis Cultureは、星で作り上げた洞窟のようなアンダーグラウンドな雰囲気を持つ、22歳の抜け目のない美の化身。

「順調に出発したけど、まだまだやることは沢山ある」と自己満足げにコメントする、今後の活躍に注目したいパフォーマーだ。

Louis Culture

今夜のヘッドライナー、ジョックストラップは、そのフレッシュなイメージにもかかわらず、AOTの常連。ジョージア・エレリー(昨年のヘッドライナー、ブラック・カントリー・ニュー・ロードのメンバー)とエレクトロニック・ミュージックを学ぶToylor Skyleで結成した、ギルドホール音楽学校のデュオは、筆舌に尽くし難い独特のディストピア的な率直さと大胆さが特徴だ。

Jockstrap

演劇的なものをシグネチャーであるトランスレッシブなオートチューンの高見まで持っていき、「1000の思いを1000回」託すことで、批評家から絶賛されているシングル『The City』を2回演奏。過激なマインドファックとパフォーマティブなハイパーリアリティーを披露してくれた。

Jockstrap

ポストモダニストのキャシー・アッカーの『Blood&Guts in High School』の一節を語りながら、同時にエレクトロニックな暴走を促すのは、軽快な抒情性を持った人にとっては偉業ではない。それでも、エレリーは天性の輝きを放ちながらシンセサイザーにサウンドに似た屈折を抱えている。

もし君が探しているものこそ答えだとしたら、ブラック・ミディのドラマーMorgan Simpsonとベテランクルーナーのイーサン・P・フリンへのジョックストラップによるインタビューは、チューニングをオンにして聞くべきボーナスに違いないね。

100 Club
100 Club

オルタナティブな創造性という言葉は、今年は少し心に響きすぎるかもしれないけれど、今日のイベントに何かを見つけられたとしたら、まだまだいけるということ。まだ限りない可能性が広がっていることは確かだ。