トータリー・ワイヤード・レディオ

ロンドン

Totally
Wired
Radio

トータリー・ワイヤード・レディオ

2019年4月

ジャンルと境界を越えた音楽

トータリー・ワイヤード・レディオ(Totally Wired Radio:TWR)は、独創的なレコードレーベルであるアシッドジャズが、創立30周年を記念して開局したラジオ局。

ソウル、ジャズ、レゲエ、モッズ、ファンク、その他もろもろのジャンルの音楽を熱心にサポートしたことで知られるアシッドジャズ。古典から最新のものまで、さまざまな音楽を世界中に紹介してきた歴史を持つ。TWRでも、そんななんでもありの姿勢が貫かれている。

TWRを率いるのは、アシッドジャズの創業者エディ・ピラー(Eddie Piller)と同クリエイティブディレクターのディーン・ラドランド(Dean Rudland)。ロンドン、イーストエンドからライブ配信される番組は、レーベルの理念を忠実に反映し、さまざまなジャンルの音楽やプレゼンターをミックスした編成となっている。

エディ・ピラーは1980年代、レアグルーヴとジャズのミックスを、ダンスシーンの少数ながら熱心なオーディエンスに向けてプレイしていた。一方、当時のビッグネームの一人、ジャイルス・ピーターソンは、ソウルとジャズをブレンドしてプレイしていた。こうした音楽への共通の関心が友情、さらには新たなジャンルを定義するレコードレーベル、アシッド・ジャズ・レコーズの創設につながった。

“僕らがハウスミュージックを知ったのは、1987年、イビザでのことだ。ハウスはすべてに取って代わった。誰もレアグルーヴやファンク、ソウルやジャズに関心を持たなくなり、もっぱらアシッドハウス。イギリスの文化においてエキサイティングな時代だったよ。ともかく、アシッドハウスは全く新しいものだった”
– エディ・ピラー

エディはアシッドハウスのビッグイベントを開き、その気分や雰囲気を楽しみながらも、自らが最もプレイしたい音楽をブランディングし直すことを考えていた。試行錯誤の結果、DJ仲間のクリス・バングスが「アシッドジャズ」という名前を考案する。数か月後、エディはそれまでプレイしてきたものを基本に、アシッドハウスの要素を少しだけ加えたプレイをスタート。これがレコードレーベル「アシッドジャズ」の始まりとなった。それから3か月も経たないうちに初シングルとしてクラブヒットとなった、ガリアーノの「Fredrick Lies Still」をリリース。1989年には何もかもが軌道に乗り始めた。

「すごくマイナーなものだったんだ」とディーンは言う。「この種の音楽に興味を持っていたのは、世界中合わせても2,000~3,000人ぐらいだったんじゃないかな。1990年にジャイルスが抜けて僕がアシッドジャズに入ったときは、2~3バンドの面倒を見てるだけだった。ところがザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、ジャミロクワイ、ザ・ジェームス・テイラー・カルテットが出てきて急に再浮上したんだ。黄金時代だったよ。それも世界中でね」

「ミュージシャンはみんな主張を持った連中で、その主張には重要性があった。同じクラブイベントに2回来るような200人くらいのグループの出身でね。世界中でブレイクするまでは、そういう状況が長く続いたんだ」とエディは言う。

“アシッドジャズはいつも国境を超えた存在であり続けてきた。最初期の頃から、イタリア、ギリシア、ドイツ、アメリカ全土にファンがいた。今ラジオ局をやって、しかも一つの言語、一つの文化に縛られなくてもいいっていうアイデアは、すごいチャンスだ”
– エディ・ピラー

エディの寝室から始まったレーベルは、ハックニー・ロード、さらにデンマーク・ストリートへと場所を移しながら、インディーズレーベルとして発展していく。ターニングポイントが来たのは、エディが米国のヒップホップレーベル「デリシャス・ヴァイナル」に招かれたときだ。

「僕たちのやってたことをすごく気に入ってくれて、手掛けてたザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズの曲をリリースしたいと言ってくれた。飛行機代込みでブルックリンのSOB’sのライブに招待してくれてね。会場の外には500人くらいいたかな。Qティップ、デ・ラ・ソウル、サード・ベース、ア・トライブ・コールド・クエストなんかがステージに乱入してきたんだ。ラッパーたちがステージに飛び出してきて、バンドの演奏にラップを乗せ始めるんだからヤバイよね。デ・ラ・ソウルなんて当時、世界一有名なヒップホップグループだったんだよ」

その日の観客の中には、当時16歳のヘヴィメタルファンがいた。先頃40歳の誕生日を迎え、その際にザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズを呼んだマーク・ロンソンだ。彼はアシッドジャズのおかげで自分の人生が変わったと言う。「何はともあれ、そこんとこはやっつけたってわけだ!」と冗談を飛ばすディーン。ともかく、アシッドジャズにはレコードを出すということを超えた、大きな影響力があったことに間違いはない。

何事においてもそうであるように、音楽にも周期がある。「ロンドン、特にサウス・ロンドンのジャズシーンはすごい。アンダーグラウンドのソウルもガンガン来てる。僕らは常に少しだけ変わったことをやってきた。常に自分たちの理想に忠実にあろうと努力してるんだ。イギリスのインディーズは普通30年も続かない。そんな中、僕たちは今年で創立30周年。これを祝うのに、ラジオ局開局よりもいいことがあるかい?」

ラジオ局の名前は、コンピレーション・シリーズ『Totally Wired』にちなんだもの。1980年代後半にスタートした、驚異的な成功を収めたシリーズだ。このシリーズはミリオン超えのヒットを記録し、クリエイティビティの代名詞ともなった。パーティを通してプレイできるよう作られた初めてのシリーズで、60~80年代のトラックから、新しいバンドのデモテープ、アフリカからライセンスを取得したものまでを集めた、音楽の旅である。

エディがこよなく愛し、自らホストを務めるEclectic Soul Showの他、伝説のジャズDJケヴィン・ビードル、ディスコガールズ、X-Press 2のヒットメーカーだったアシュレー・ビードル、ノーザンソウルを紹介するノーブル&ヒース、ディスコ・フリークス、アイコニックな100クラブからはジェフ&ルビー・ホートン、インディペンデント・ヴェニュー・ウィークのシビル&クロエ、新興レコードレーベルのカウンシル・ミュージックをラインナップ。さらに、アルゼンチンに拠点を置くレゲエショーやペルーの「The Lima Soul Club in Peru」、南イタリアのファンクショーなど、インターナショナルなプレゼンターの番組も毎週配信される。

フレッドペリーは、トータリー・ワイヤード・レディオをサポートしています。

トータリー・ワイヤード・レディオは、2019年4月4日からtotallywiredradio.com とfredperry.com でライブ配信されました。
再放送は mixcloud.com/totallywiredradioにて。