フレッドペリー サブカルチャー@100クラブ ハイク・ハンズ + スージー・ウー + BaBii

サブカルチャーライブ

Fred Perry Subculture
at The 100 Club
Haiku Hands + Suzi Wu + BABii

フレッドペリー サブカルチャー@100クラブ

2019年8月
Words Harley Cassidy
Photos by Sharon Lopez

どんなに甘く見積もっても、いつもとかなり違うと言わざるを得ない、今回の100クラブのラインナップ。メインパフォーマーは、それぞれキャリアの異なるエレクトロ系女性アーティスト3組。会場にはこれまでのフレッドペリー・サブカルチャーライブでは見られなかった、一際エキセントリックでフリーダムなオーディエンスが集まった。

多様性と受容がひとつのテーマで、すべての抑制をドアの前に置き、インプレッションを感じた夜。サポートとエンパワーメントの堅実で揺るぎないスタンスが、その日の秩序。

トップバッターはインターネットの紛れもない申し子、BaBii。かつて、自分のメロディは周囲の人たちからの盗用だと言ったこともある彼女だが、その音楽には彼女の精神が一風変わった形で明確に影響していることが感じられた。彼女は2019年、誰もが受け入れているポップカルチャーのダークサイドを原動力として登場し、そのルーツとして連なっている。ライブでは終始ニーパッドを着用し、ステージに置かれた巨大なテーブルの上に跪き、透明感あるシンセの音色を紡ぎ出しながら、グライムスもかくやといった、ガーリーなファルセットで完璧に歌い上げる。クライマックスは「SEiiZURE」。内なる闇を隠さない、それでいてポップな、勢いのあるエレクトロニックな綿菓子といったところだ。

BABii
Clarence Clarity
Suzi Wu

ポスト・インターネット時代を体現するもう一人は、海外から帰国したばかりのスージー・ウー(最新EPのタイトルは『Error 404』)。渡航先では、まさに今後の布石となる、デフ・ジャムとの契約を結んできた。そのパフォーマンスはパンチの効いた、アメリカ仕込みとおぼしき一点の曇りもない輝きがしっかり備わったもの。それでいて荒削りなロンドンのルーツはそのまま残っている。「ホームっていいね」、彼女は感激の声をあげ、強烈な照明の輝きと、彼女に憧れるファンを見つめていた。個性溢れるセットを展開するスージーからは目が離せない。注目を独り占めにし、ステージを縦横無尽に跳ね回る。一つ一つの音、一つ一つの動き、抑揚の変化一つ一つが、ゆるっと心地よい。自信と自惚れは相反するものだが、満面の笑みを浮かべて「この中にトム・ウェイツ好きな人はいる?」とオーディエンスに尋ねるお茶目さからは、絶妙な親しみやすさが感じられる。デビューEPに収録された「Teenage Witch」は相変わらずスージーのキラーチューンだが、『Error 404』からの曲も同じくらい強烈。ドープなサンティゴールドやM.I.A.といった感じだ。

Suzi Wu

セットの合間には、良質なポップソングに精通したDJが観客を楽しませるというラッキーな一幕も。クラレンス・クラリティは単なる場つなぎではない、フロアキラーDJ。クリスティーナ・アギレラの「Fighter」やマドンナの「Don’t Stop」といった思いがけないクラシック2曲を含むプレイで会場を沸かせた。

当然ながら、ハイク・ハンズがついにステージに登場したときには、会場は大盛上がり。彼女たちの顔は装飾が施された仮面に覆われているものの、その下の表情は、はっきりと読み取れた。彼女たちの目的は、カオスを起こすこと。

@cameronjtomlinson
@amira58
Haiku Hands

クレア・ナカザワ、ミエ・ナカザワ、ベアトリス・ルイスの三人は初めから終わりまで眩いエネルギーを放出、会場全体を虜に。ノンストップでひたすら続く純粋なレイヴに魅了され、100クラブは刺激的でむせ返るようなパーティの場へと変身した。

Haiku Hands
Haiku Hands

ハイク・ハンズは、遊びのテクニックをたっぷりと見せてくれた。同じくオーストラリア出身のコンフィデンス・マンにも通じるシンクロした振り付け、次々と繰り出されるアンセム、そして、ライブを限界まで高めることに対する圧倒的集中力。クラブバンガー「Not About You」のダンスから最新チューン「Dare You Not To Dance」まで、まさに彼女たちが得意とする、互いに絡まり合うダンスを展開し、息一つ乱すことなくアツいダンスホールナンバーにラップを乗せた。凶暴化したバブルガム・ポップに、どんな堅物もこの夜だけはとハメを外す。これがハイク・ハンズのパフォーマンスによるパワーだ。

ナイトライフカルチャーの真骨頂を余さず体現する、ハマーによる陶酔的なハウス/テクノのミックスからパワーと刺激をもらい、少しだけ超人になったような気分で会場を後にした。

@meliabeaudoin
Hammer