アナログ盤が命

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アナログ盤が命

2020年9月

Record Store Day 2020を祝し、東南アジアの熱心なアナログ盤コミュニティにスポットを当てます。

シンガポール
DJ Honey

自己紹介を。
昔から60年代のノーザン・ソウル、ジャズ、R&Bの愛好者で熱心なレコードコレクター。オーストラリア、イギリス、アメリカ、アジアでDJ経験があり、Mixcloudで月1回の「Kiss!Kiss!Bang!Bang!」の他、ロンドンのソーホーラジオでガールパワーをプロモートする ‘Girls in The Groove’もやってる。ミニスカート革命時代の、踊らずにいられない掟破りの音楽が目白押しよ。

アナログ盤を使ってDJを始めたきっかけは?
最初は、自分で楽しむためのレコード集めだったの。大抵のレコード・コレクターが、アナログ盤は手で触れるところが魅力だって言うと思う。実際にレコードを選ぶための決まった手順、必要なケア、パチパチ音を立てて回るレコードの横でライナーノーツを読めること… アナログ盤にはある種の魔法があるわ。アナログ盤でDJをやることにしたのも自然な流れだった。それと、あまり知られていない60年代の曲なんかはSpotifyやiTunesにないから、レコード漁りをしてみつけるしか方法がないのよね!

DJ Honey

次のギグにもっていく3枚は?
ジュディス・ホー – Unchain My Heart
ラ・ルーペ – Fever
ニシェル・ニコルズ – Know What I Mean

永遠に持っていたいレコードは?
リンダ・ジョーンズの「I Just Can’t Live My Life (Without You)」を見つけて、買えるだけのお金があって、自分のものにするまでに12年かかったのよ。いつも、かけるたびに背筋がゾクゾクする。どんな苦痛があろうとも全身全霊で愛した女性なんだっていう感じがするの。頭が下がる思いだわ。

ニック&レオン、The Analog Vault

自己紹介を。
ニック:僕はニック。シンガポールのレコードショップ、The Analog VaultでDJをやったり働いたりしてる。
レオン:やあ、僕はレオン。The Analog Vaultで働いて2年ほど。

アナログ盤を使ってDJを始めたきっかけは?
ニック:実は、この店での仕事がきっかけなんだよ。僕はレオンと組んだセレクター的な作業が多いから、The Analog Vault Selectorsとして、イベントでショップの顔になってるんだ。

次のライブにもっていく3枚は?
レオン:ギグによるけど、最近の掘り出し物は、「Potatoheadz Vol. 3」、白石隆之「Missing Link」、ボーズ・オブ・カナダ「ピール・セッションズ」。

これまでプレイしたヴェニューで一番のお気に入りは?
ニック:それぞれ、別々の理由で気に入ってるんだけど。HQはクラブ・サウンドをいろいろ発見できるから素晴らしい。Kult CaféやDeckみたいな屋外ヴェニューはファンキーなナンバーを、特に日中にかけると楽しいね。うちのようなレコード店は、親密な雰囲気がとてもいいと思うよ。僕は、ふだんはヴェニューとして使われていない、一度きりの会場で回すのが好きなんだ。

最初に買ったレコードは?
ニック:友達がア・トライブ・コールド・クエストの「People’s Instinctive Travels」をくれてね。たしか翌日にポップアップ・マーケットに行って、アーマッド・ジャマルの「Chamber Music of the New Jazz」を買ったよ。
レオン:僕の最初のレコードは父がクラシック・ロックのコレクションからくれたんだ。レッド・ツェッペリンが最初の1枚だったと思う。

Nick and Leon, The Analog Vault

マレーシア
DJ Orcheed

自己紹介を。
名前はアシーラ。 セランゴールにあるバトゥ洞窟の出身。DJ名はOrcheedで、Klang Valley Floorshakersの一員よ。音楽の質を尊重して、プレイするのはアナログ盤だけ。同じ音はカセットやCDじゃ出せない。ドラム、ベース、その他の楽器がはっきり聴こえるの。レコードに目覚めたのは7歳の時。すごく楽しそうに見えたし、おじいちゃんもレコード収集が好きでね。私が子供の頃、いつもコレクションを見せてくれた。最初は、マレーシアに今でも若者が参加しているアナログ盤コミュニティがあるなんて思わなかった。Klang Valley Floorshakersのイベントを企画し始めたら、ある日メンバーの何人かに、アナログ盤DJをやってる女性は殆どいないからやればと言われて。私が扱うのは60年代音楽だけ。ゴーゴー、ガラージュ、ポップ・ロック、ジャズは踊るのにぴったりだから。

DJ Orcheed

次のギグにもっていく3枚は?
イスマイル・ハロンの「Jangan Marah Lili」
A.romzi and The Hookの「Katakan Padaku」
M.Saidの「Si Penjual Ubat」

アナログ盤DJ志望者へのアドバイスを。
まず音楽を愛し、音楽の価値を認めること。そうすることで初めて、音楽で何をやっていても楽しくなるわ。

Xes Xes Loveseat

自己紹介を。
僕のフル・ステージ・ネームはXes Xes Loveseat。仕事はDJ。つまり他人の音楽を、大体はそれで踊りたい人たちのためにかけてる。ふだんは雑多な客層の小さなヴェニューでやっているけど、そういうところが一番なんだよ。

Xes Xes Loveseat

アナログ盤を使ってDJを始めたきっかけは?
あるとき、人生で最も良い時期の想い出を象徴するというか、それが形になったものを集めることにしたんだ。レコードはある意味、僕の体験を保存してくれるんだよね。

アナログ盤DJ志望者へのアドバイスを。
レコードが好きじゃないとだめだよね、当たり前だけど。自分を、DJである前にコレクターとして考えること。決して他の人を喜ばせるためとか、ビッグヒットだからとか、そんな理由でレコードを買わないこと。レコードは自分のために、DJとして自分をどう見せていきたいかを考えて買う。これをやっていれば、きみがかける音楽の魔法と個性がしっかり出てくるよ。

最初に買ったアナログ盤レコードは?
DJ Rolandoの「Knights of The Jaguar」。おそらくこれまで作られた中で最高のテクノ・ナンバー。でも、誰かに盗まれたんだよな、あのレコード。

永遠に持っていたいレコードは?
1枚?1枚なんて無理。レコードは全部取っておく。コレクションは僕の遺書に記録されるんだ。

インドネシア
Misteri Rekods

自己紹介を。
Misteri Rekodsは、レコード収集を始めたばかりの人たちにアナログ盤を紹介したくて始まったんだ。アナログ盤を1セット精選して、タイトルが見えないようにすっかり隠して、それぞれのパッケージ内に入っているものは推測してもらうしかない、っていうアイデアだった。猫を袋に入れて買うようなものだよ。だからMisteri Rekods(ミステリー・レコード)って命名したんだ。

次のギグにもっていく3枚は?
マーギー・セガース
Chrisye
ラヴィ・シャンカール

アナログ盤DJ志望者へのアドバイスを。
知らないレコードを選ぶことを恐れることなかれ。1回聴いただけでは良さがわからないかもしれないけど、やがては持っててよかったと思うようになるんだから。それに全然買わないより、買ったものに後悔する方がいいよ。

Misteri Rekods

最初に買ったアナログ盤レコードは?
古いインドネシアのレコードが詰まってる大きな箱を買った。大部分は知らない内容だったな。

10代の自分を定義する曲は?
ニルヴァーナ「Smells Like Teen Spirit」

Samson Pho

自己紹介を。
名前はSamson、またの名をウダ スジャム。レコード・コレクター兼DJで、ジャカルタに2軒レコード店を持ってる。

アナログ盤を使ってDJを始めたきっかけは?
アナログ盤レコードはしばらく前から集めていたんだよ。あるときパーティーで、自前のアナログ盤コレクションから何枚かかけてくれと言われて、それがやがて定番化したんだ。

Samson Pho

次のギグにもっていく3枚は?
エヂ・モッタ「Too Slow to Disco Brazil compiled by Ed Motta」
The Coconut Band「 1 + 1 = 3」
砂原良徳「Pan Am: the Sounds of the ‘70s」

これまでプレイしたヴェニューで一番のお気に入りは?
バンコクのSukhumvit 51 にあるGreaseかな。あれは僕の最初の国外ギグで、ZudRangMa Recordsのマフト・サイが企画してくれたんだ。群衆にインドネシアのグルーヴを紹介しようってことで、Isan Dancehallっていうギグのシリーズでプレイするよう招待してくれて。おそらく殆どの人がインドネシアの音楽を初めて聴いたんだと思うけど、いや、みんな激しく踊りまくってたね。それと、あそこで初めてSoi48に出会って、あれで日本とのつながりも生まれたんだよ。

大音響でかけるのに最適な曲は?
リー・スクラッチ・ペリー「Disco Devil」