フレッドペリーとエイミー・ワインハウス財団の歩んだ10年を記念して

エイミー・ワインハウス財団

Celebrating 10 Years
of Fred Perry x Amy
Winehouse Foundation

フレッドペリーとエイミー・ワインハウス財団の歩んだ10年を記念して

Photos by Chazz Adnitt
Words by Eve Barlow

ブルースにリズムが寄り添うように、フレッドペリーはエイミー・ワインハウスに寄り添います。ワインハウスがその死によって、フレッドペリーのような記憶に残る英国スタイルのアイコンとなってから約10年。彼女とその時間を超越するブランドのコラボレーションは高い評価を受け、飛翔し続けてきました。

自宅のあるカムデンの通りでカメラマンに追いかけられているときも、世界中の舞台で歌っているときも、時を経てなお色あせない写真を撮るためにスタイリングししているときも、ポロシャツやテニスウェアを着こなすワインハウスは常にフレッドペリーのロゴと同義語でした。彼女はスタイリストの概念を打ち破り、女性として初めてフレッドペリーとのコラボラインを自身でプロデュース。テディボーイからインスピレーションを受け、ジェンダーのステレオタイプに従うことを拒んだ反逆者でもある女性たちはどこにでもいて、彼女たちはほかのハイストリートアイテムより少しだけ手頃でエッジの効いた都会的なスタイルを探し求めていたのです。

ワインハウスは、Stables Market、ライブハウス「Koko」、旧「Barfly」と同様にカムデンタウンのランドマークでした。サウスゲートで育った彼女がカムデンタウンに移り住んだのは、2000年代初頭のことでした。この町はカリスマ的でエッジが効いた、まさにノースロンドンのポケットで、町が彼女に影響を与えただけでなく、彼女自身が町に爪痕を残し続けました。2003年にデビューアルバム『Frank』をリリースしてからの数年と決定的なアルバムとなる『Back to Black』(2007年)を制作する間、カムデンは精神的な意味において彼女のロックンロール活動の拠点であり、また、歌を作る上で心許せる空間でもありました。カムデンは彼女の美の女神であると同時に、問題でもあったのです。音楽的にカムデンから影響を受けたワインハウスは、ジャズシンガーとして成長する中で、R&Bやモータウンにヴィンテージスタイルを自由に取り入れるようになっていきます。

ファッションの上でも、カムデンは彼女を一新しました。ワインハウスはStables marketで働く友人、カトリオナとアパートをシェアし、Hawley Armsなどのパブで日夜過ごす一方で、自分を取り囲むスピリットを自らの体を使って表現し始めました。両腕をピンナップガールのタトゥーで飾り、髪を50年代から60年代風のグラマラスなスタイルで高く結い上げ、ワードローブの中はロンパースやベビードールドレス、ポロシャツやスキニーデニム、ヒールやテニスシューズが中心になっていったのです。フレッドペリーの一連のシリーズは、彼女のビーハイブヘアに合わせた衣装であると同時に、彼女が当時意識していたかどうかは別にして、フェミニストとしての大胆な宣言でもありました。音楽シーンにおいて先駆者であり、生まれながらにしてブランドの開拓者であった彼女は、モッズやインディーバンドから生まれたロンドンのストリートスタイルを体現する自由を女性たちに与えたのです。

ユダヤ人としてのアイデンティティーも、ワインハウスが常に胸に留め、大切にしていたものでした。彼女はユダヤ人の両親の娘であることを誇りにし、いつもステージの上では自身がユダヤ教徒であることを示す「ダビデの星」のネックレスを見えるように着けてパフォーマンスを行いました。彼女は明確に政治的発言をすることを良しとしませんでしたし、公に自らの民族性について話すこともほとんどありませんでした。しかし、自分を不安にしたり苛立たせたりするものに対し口をつぐむことはありませんでした。彼女は、悪びれることなく自分の容姿、声、そして性格に誇りを持ち、ぶれることがありませんでした。

彼女の姿は、未だにラジオ番組やストリートアート、またはベッドルームの壁などに溢れていますが、彼女の作り出した世界は誰にもまねすることはできません。彼女のレトロへのこだわりは、彼女を過去に縛り付けるのではなく、インスピレーションの源となって遥か彼方の未来へ彼女を押し出しました。正にそれこそが、彼女を今も、そして永遠に、アーティストやファンに伝説的な影響をもたらす存在にしているのです。

ロンドンのフレッドペリーカムデン店ではエイミーのレガシーをたたえる展覧会を開催。ぜひお越しください。

私たちが「I AM AMY」を企画したのは、単に現代の偉大なアーティストの一人に敬意を表するためではなく、エイミーが特に価値を置いて体現した自己表現という発想を称賛するためでもあります。エイミーのスタイルや創造性においてファンの皆さんがどのような刺激を受けたかを、動画やセルフィーやアート作品にハッシュタグ「#IAmAmy」を付けて共有してください。